専門学校や職業訓練校を卒業した未経験者の場合、担当している現場の中から、基礎的作業の多い現場へ配属します。学校で学んだことは大切ですが、現場でしか学べないものが多く、「現場の基礎」を身につけるための配置です。
それには定義が必要です。指示された作業を完遂するのなら、当社の教育実績からいって半年ぐらいです。ただし、当社が定める一人前とは、「お客様が誠意を感じる作業」で、これは一概には言えません。
私(ワイズ電気代表 田沼雄二)は各種学校で講師をしており、そこで身につけた教育テクニックと、現場で身につけたノウハウを融合させた指導をしています。そしてできるだけ「実戦」を積んで貰うようにしています。
会社によって、未経験者は、掃除や片付けと言った下働きからはじめさせますが、当社は小さな所帯ということもありますが、なにより掃除をしたからといって、インパクトドライバーが上手に使えるようになるわけではありません。むしろ、新鮮な気持ちで取り組む新人時代に、数多くの現場経験を積ませるようにしています。
事業を拡大していくなかで、いくつかの教育プログラムを試してみましたが、早い段階で厳しい現場で経験を積んだ社員は、その後の伸びが違います。
私も教鞭を執る専門学校の場合、幅広い技術教育を施しているので、応用性が高いですね。一方、職業訓練校は「手に職」という真剣さをもっている人材が多く、知識不足を情熱でカバーするといった感じです。
どちらが有利ということはありません。最終的には個人の資質です。専門学校卒でも「電気工事で食べていく!」と決意していれば、ほぼ即戦力ですし、職業訓練校を卒業後も「学び」を続ければ両者の差などありません。かく言う私も職業訓練校の卒業生ですから。
電気工事士は一人で担当する現場も多いのですが、だからこそ、他のジャンルの職人さんと協力していくスキルが重要となります。その入口が「挨拶」なのです。
私以外はみな若いスタッフです(笑)。現場の仕事は年齢が近い方が、いろいろと学びやすく、仕事もしやすいものです。年寄りの私と20代のスタッフでは動きのシャープさが違いますからね。
やはり電気工事が好きな人ですね。単純な話し、スイッチを入れて電灯が灯った瞬間、心の中で手を叩くように、小さな感動を毎回楽しめる人です。たぶん、ウチのスタッフなら、いまでも乾電池に豆球をつなげて光った瞬間、ウォーって歓声を上げますよ(笑)。